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2010/06/30.Wed

とかち麺工房のカップ麺、しおらーめんを食す。


テキサスにアノとかち麺工房のカップ麺が売られていたので久々に購入してみた。とかち麺工房とは十勝新津製麺が社名変更した会社だ。私の十勝新津製麺の思い出は未だ20代中頃、関東に在住していた当時、姉から送られた段ボールの中から始まった。中には米や菓子類など食料が沢山入っており当時困窮していた私には感涙する程の喜びであった。ふとその中に見慣れない平型のカップ麺が入っていたのだ。それが新津製麺の醤油ラーメンであった。その時からラーメンは私の主食として無くてはならない存在であった訳だが、このカップ麺を食した時の感動は中々得難い体験であったものだ。直ぐに姉に電話し、食料のお礼と感謝を述べ「ところであのカップ麺はナニ?旨いね!」と興奮を一気に伝えた。すると姉は「アレは池田の会社で作ってるカップ麺だよ」と云うのだ。驚いた。全く驚いた。十勝に、ましてや池田なんかにカップ麺を作っている会社があったのだ!


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十勝しおらーめん。勿論アノ特許を取得した氷結乾燥法ノンフライで作りあげた麺に、北海道産小麦を100%使用したとの謳い文句だ。

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前社名である十勝新津製麺(株)は池田町東1条20番地に在った。創業は昭和3年、昭和23年辺りからなま麺の製造を主とされたそうだ。躍進を果たしたのは二代目、通称鬼才(おに)の新津正夫氏が社長の当時。今ではコンビニや大手スーパーにでさえ置かれている現とかち麺工房のカップ麺であるが、会社の運営は順風満帆とは行かなかったようである。

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とかち麺工房になってからはこのよな縦型のカップ麺も販売するようになり、新津製麺時代から始まった人気ラーメン屋の味を再現したカップ麺も引き続き製造販売されている模様だ。最近では石神秀幸とのコラボレイト・監修によるカップ麺もシリーズ化されている。


十勝新津製麺(株)は親会社の白石興産の業績不振から傾き銀行からの融資もストップ、経営破たんした経緯がある。それからの二代目新津社長の功績は今までののカップ麺業界を揺るがし、概念を覆した。それは幾度となく失敗をくり返し遂に完成させた氷結感想法と呼ばれる麺製造技術だ。

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今回のしおらーめんの麺もなんと素晴らしいコシと喉越しだろうか。やはり旨い!スープは中濃度で香味が効いたこってり感もあるスープだ。そのスープに絡む麺がなんとも旨い。


新津製麺(株)が何故社名変更される事となったのか。2008年になんと新津正夫氏は社長を退任されていた。そこに新社長として就任したのがあの食創の常務であった星久保明氏。他上層部が入れ替わる降板劇となったのだ。社屋も池田町から幕別町札内みずほ町143番地109に引越し。その退任の理由とは複雑な経緯はあるだろうが業績不振が主な原因とされている。


カップ麺の鬼才(おに)と称されていた新津氏の退任劇は衝撃であった。間違いなく日清食品の初代である安藤百福氏と同じくカップ麺の歴史に刻まれる貢献者なのは揺るがないものである。リクナビNEXTのTech総研特集で当時の新津正夫氏のインタビューが掲載されているので紹介しておこう。素晴らしい職人であったと窺がえる有意義なインタビューだ。「我らが友カップ麺、工場潜入で見たこだわりの技術とは


とかち麺工房(株)ホームページ
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帯広(十勝)のラーメン | Comments(2) | Trackback(0)
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